スタンフォード式 疲れない体ー山田知生
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オススメ度:★★☆☆☆
理由:要は睡眠、呼吸、食事、姿勢が大切ということなのだが、
それを調査結果を裏打ちとして説明している点は説得力があった。
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前述しているとおり、この本はスタンフォード大学で行われた調査をもとにして科学的根拠に基づくメソッドを紹介しています。
睡眠、呼吸、姿勢については専門外なのでなるほどーという程度で読んでましたが真新しい画期的なメソッドはあまりなく、まあ、そうだよね。って感触でした。
大学で栄養学を専攻しているので
食事の部分で気になった点を記載していこうかと思います。
この本の中で「疲れない体を作る目安としてタンパク質と炭水化物の割合は3:1を目指しています」と記載があり、炭水化物が多くなると炭水化物は糖に変わるので糖分過多になるとのこと、、、
んんん???????????3:1?????????
私がよく聞くのは主食:主菜:副菜=3:1:2
主菜がタンパクなことが多いので本文中に合わせると
タンパク質:炭水化物=1:3
と言ったところでしょうか…
(これは目で見てわかる割合なのでお弁当や日頃のご飯作りに打って付けなのです)
しかし!主食が3と言っても全部が全部糖質ではないし、
それは副菜、主菜にも言えること。
(肉のタンパク質含有量は約20%前後、残りの80%は肉といえどもタンパク質ではないのだ…!!つまり100g肉を食べてもタンパク質は約20gしか摂取していない計算)
そこで、食材を栄養素のパーセントで置き換えて考えると以下のグラフで説明します。
図1C-1と記されたグラフは食事の構成成分と生体の構成成分を示します。
食事の構成成分のパーセントはPFCバランスから考えられるものだと推測します。
糖分はエネルギーとして消費されるのでほとんど体に残りません。
それなのになぜ、、、こんなにも糖質を減らせというのだ、、、
と悩んだのですが記事にしていくうちにわかりました。
一般的な食事の基準はやはりPFCバランスにのっとって摂取すべきだと考えます。
しかし、この本は疲れない体を作るための食事法を伝えています。
日頃から糖質を目の敵にしている訳ではなく、
血糖値の急な乱高下(血糖値スパイク)が眠気や疲労感の元となる
ということを考慮して
疲れない体を作るためには糖質を減らした食事を推奨しているのです。
皆さんも食事のバランスを考える際は「どうしたいのか」目的や欲しい結果をはっきりさせることで、この情報過多のネット業界から自分の欲しい情報がゲットできるようになると思います。
また、糖に関連して
「お菓子を食べると体内のビタミンがなくなると言う恐ろしい事態を招く…」
と記載がありますが、これには2つの側面があります。
1つはお菓子や菓子パンなどにはビタミンがほとんど含まれていないため、ビタミン豊富な野菜や果物を使用した献立に比べたら相対的にビタミンが少ないということ。
ビタミンを体内で作れる訳じゃないから摂取できなきゃそりゃ減りますよな
2つ目は糖の代謝にビタミンが利用されるということ。
これは代謝の過程で当たり前すぎる話なんですが巷では
菓子パンを食べたらビタミンが消える→菓子パンはやばい食べ物!!
みたいな解釈の記事が出回っていたりして呆れてしまいます(笑)
ビタミンは代謝の回転を促す役割があり、車で言う潤滑油のようなもの。滑りを良くするもの。
そりゃあ、糖質たっぷりのお菓子を代謝するにはビタミンが使われるから無くなりますわ、、、特段恐ろしいことではない。
ちなみに糖代謝にはビタミンの中でもビタミンB1が使われます。
お!じゃあお菓子食べ過ぎてもビタミンB1摂ればええやんけ!!!
と思った数年前の私、、、
ビタミンB1が豊富に含まれている有名な食材はうなぎ
、、、高いわ。
お菓子数百円のためにうなぎ食べるとか採算合わなさすぎwwwwww
という理由でお菓子を食べる量が減りました。
全体として、同じ話の繰り返しが頻繁に見られたのでその辺りを削って
もっとエビデンスを追加するであったり、
上記のように「お菓子を食べるとビタミンが減る!恐ろしい事態だ!」と短絡的な考えに陥らないよう、説明文の肉付けがあった方が良いなと思いました。
本当に同じ話の繰り返しばっかりだったので
太字と線が引いてあるところ読めばだいたい理解できるかと思います。